
知る人ぞ知る名作ドラマ、アンジェラ 15歳の日々。アメリカではMy So-Called Lifeという題名で1994年に、日本では1997年に放送されました。もう10年以上前に見たことになるわけで・・・細かいところは忘れてしまいましたがまた見てみたいですね。
主人公は15歳の女の子。仲のよかった子と突然疎遠になって急に不良っぽい子とつきあうようになったり、周りは初体験をしているのに自分だけバージンで「abnormal」といわれて傷ついたり。ゲイや飲酒、ドラッグ、セックス、親の不倫といった10代の若者が抱える日常の悩みを実に見事な脚本で描きました。
たしか毎回アンジェラが心の声でナレーションをするんですが、そのセリフがまたよかったんですよね。正確には覚えてないのでIMDBで調べました。
Angela: Sometimes it seems like we’re all living in some kind of prison. And the crime is how much we hate ourselves. It’s good to get really dressed up once in a while. And admit the truth: that when you really look closely? People are so strange and so complicated that they’re actually… beautiful. Possibly even me.
深い。キミは十分美しいよ、アンジェラ!と声をかけてあげたいとおもったものでした。
あと覚えているいいエピソードは、ゲイのリッキーが家で暴力を受け、行く当てもなく、しかたなく先生の家に行くシーン。先生はゲイであることを隠しているんだけどついに受け入れる、という感じだったとおもいます。
1シーズンで打ち切り
と、名作ドラマと言ってますが視聴率はよくなかったようです。評価は高かったんですけどね。エミー賞にもノミネートされているし、主演のクレア・デインズはゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しています。
でもいくら賞を受賞しても数字が悪いと打ち切られるのがアメリカドラマ。当時も熱烈なファンはいたようで、第2シーズンを制作するかどうかは最終回の視聴率しだいということだったようです。そんなこともあってか次につながるような、「アンジェラはどっち選ぶのー?」というエンディングで終わったのですが、けっきょく視聴率は取れず、そのまま1シーズンで打ち切りとなってしまいました。
とても残念ではあるのですが、同時にここで終わったからいまでも名作として語られるのだろうともおもえるのです。
NHKでの放送打ち切り問題
アンジェラは日本では夕方の時間帯に放送されました。夕方というのは昔からNHKが海外ドラマを定期的に放送してきた枠です。フルハウスもヒットしました。夕方ということで若者(中学生とか?)に見てほしいというおもいがあったんでしょう。
すでに大人だった私は毎回ビデオに録画して見ていました。しかしある日違和感に気づきます。どう見ても話が飛んでいるのです。最初は肝心要のところをあえて語らないとかそういう演出なのかともおもったのですがどうもおかしい。そして突然最終回。
1997年ですからすでにインターネットはあったので放送回数を確認するとやはりカットされていました。全19話なのですがNHKでは11話で終了していたのです。
どうやらこの夕方時間帯にこのテーマのドラマは当時の日本では刺激が強すぎたようです。PTAだかなんかそういうかんじのところからクレームがあったそうで、急遽打ち切りとすることにしたそうです。
終了直後は再放送の予定もなかったようですが、要望が多かったのか、その後深夜に全エピソード再放送されました。でも途中で話をすっ飛ばされて見せられ作品を台無しにされたという思いは残りました。今だったらネットで炎上するでしょうね。
いま思い返しても若者に見せるのに適さなかったとはおもえないんですよね。むしろ教育的だったとおもうのです。NHKもあえて夕方枠で放送したのはそういう思いがあったからでしょう。貫いてほしかったです。