ヤフートピックスのチカラ
「ヤフートピックスを狙え」という本を読んだ。書いているのは市ヶ谷経済新聞の人。ヤフーに記事を配信してヤフートピックスにいかにとりあげてもらうか、企業はイベントや新製品をどうニュースとして世間にプロモーションしていくかといったことを事例を交えて書いている。
正直内容はたいしたことない。ヤフーに限らず、広報的な仕掛けについて書いてるだけで、目立ったテクニックがあるわけでもなんでもない。
ただ、ヤフートピックスの力の大きさについて改めて確認させられた。
ヤフーにはさまざまな媒体から記事が配信されてくる。そのなかからヤフーがおもしろいとおもえばトピックスとして取り上げる。その際、記事の中身は見ているが、たぶん配信社がどこだとかは気にしない。だから市ヶ谷経済新聞のような小さなメディアも読売新聞と変わらずフラットな状態で扱われる。
小さなメディアは完全にヤフーのほうを向いて、ヤフーが取り上げてくれそうな形で記事を書く。新聞社の記者は自社の新聞に載るように書く。一回新聞社のフィルタを通している分、良質な記事が配信されるのかもしれないが、古い新聞社のテイストがヤフーのテイストにマッチしているとも限らない。新しいメディアは試行錯誤の中からヤフーのテイストに合わせていく。
毎日新聞はヤフーのほうを向いてウェブに取り組んでいるように見える。MSNと組んだ産經新聞も速報に力を入れているのはむしろヤフーに採用してもらうためではないか。
ヤフーはよく自分たちは記事を書かない、配信されてきたものを整理して、付加価値をつけて見せるだけだ、と言う。でも実際には多くの配信社がヤフートピックスに取り上げられることを目指して記事を書いている。下手すれば読売新聞だってヤフーに取り上げられる効果を無視できないのではないか。
たしかに自社では記者は抱えていない。でも実際は何十社とある配信社の記者を抱えているようなもの。
いつのまにかヤフートピックスはおそろしいほどに大きな力を持ってるのではないか。
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